《戦う瀬戸舞(後編)》

全年齢
Written by 瑞雲





「来るのが早けりゃ、引き返すのも、早いな」
『師匠!10時の方角からスキュラ接近』
「嫌でも目に入ってくる。このまま行かせては指揮車が危ない。だが、ここで足止めして少しでも弱らせたらヤツを孤立させれるはずだ」
 飛行船に似た体躯で、長い尾びれをくねらせながら獲物を求めて前進してくる。巨大な目が印象的で、そこから放たれるレーザーは戦車をも破壊する事を二人は知っていた。それでも、瀬戸口は突破されと戦況に大きく影響するのが分かるので、まだ距離がある間に狙撃しようと、道路の脇の深い溝に塹壕のように潜むとスキュラを狙う。
「…くっ!」
「はずしたな…あと一歩であったのに。こちらに気付かれたぞ」
 スキュラは鈍重であったが、複数の攻撃用幻獣を寄生させているので視野が広く、僅かな反撃の芽も見逃さなかった。視認用のレーザーが触れるか触れないかの所で見事に停止し、二人に向かってレーザーを放つ。スコープ越しに悪い結果を知った瀬戸口はすぐに頭を低くして溝の中に隠れ、舞も汚れた水が跳ねるのも気にせず身を屈めて移動し始める。案の定、二人がいた場所が隣接する建物ごと攻撃を受け、まるまる一軒が倒壊する。
「舞、なにかいい手はないか?」
「せめて、こちらに煙幕があれば…マシなのだが。こうなれば、相手の懐に入るしかあるまい。所詮は宙に浮いているもの、背後を突くチャンスがあるはずだ。あれだけのサイズだ…尾びれを狙えば、動きが乱れてスキを見せるであろう」
 二人は路地に逃れると、目の前の脅威について話し合う。結局、狙撃が絶対的でないと判明した以上、距離を詰めて射角の広い得物で多くの命中打を与える結論に達する。瀬戸口はSMGに持ち替え、舞はカラになったマガジンを捨て、スペアをセットした。
 空を見ながらスキュラの進行方向を確認しつつ、開業医の駐車場を通り抜けるとスキュラの横っ腹に向かって一斉に発砲する。
「当たってるか?」
「あの大きさだ。まるでビクともせぬ。いっそ、真下から撃てば敵もどうすることも出来ず、こちらが攻め続けれるであろう。何だ?別の目標を見つけたようだな」
 二人の小火器では対空射撃は困難で、その上頑強な幻獣が相手では闘志ほどのダメージは与えれなかった。スキュラは二人を無視するように別の方角に狙いを定めると、レーザーを放つ。
『師匠!こっちに撃って来た。ヤベェ!』
『げんじゅうがねー、本気でこっちにげーげきしてきてるのよー』
「大変だ!指揮車が攻撃されてるぞ」
「ののみー!」
 指揮車は前線と後方の補給車との中心にいる場合が多いので、一度前線が突破されると、守る者もいない指揮車は目立つ場所にいると狙われる可能性が大きかった。ののみは高い同調能力を持つので、幻獣の意思を読み取る事が出来き、逼迫した事態が明確に理解できた。
 瀬戸口は最後のブースターを点火するとスキュラめがけて飛んで行く。
「うおおおおおっ!」
 空中でスキュラに向かって瀬戸口はSMGを連射する。一瞬だが、高低差が大きく縮んだので数十発のフレシェット弾が命中する。しかし、ブースターが尽きて瀬戸口がビル側面の非常階段にしがみつくと同時に、ビルごと攻撃される。
「隆之!死ぬ気か…」
 舞は気がつくと倒壊するビルに向かっていた。
「イカンな、あと一本残ってたら、同じ高度までいけたかもしれん…」
「たわけが、何を考えておる!」
 鉄筋コンクリートのビルは大きく崩れても、非常階段は金属製だったので、本体から外れて倒れるだけで済み、瀬戸口は無傷であった。
「相手が強すぎる…今の俺ではどうにもできないのか?」
「我らは、決して無力ではない!力をあわせれば必ず…隆之、歌うぞ…」
 これまでスカウトを勤めた事のない恋人が捨て身の戦法で挑んでもスキュラを倒せない事に舞は落胆しそうになるが、かろうじて学兵にとって最後の希望を思い出し、初めて突撃軍歌を歌う事を決心する。
「 その心は闇を払う銀の剣 絶望と悲しみの海から生まれでて
  戦友達の作った血の池で 涙で編んだ鎖を引き
  悲しみで鍛えられた軍刀を振るう どこかのだれかの未来のために
  地に希望を 天に夢を取り戻そう われらは そう 戦うために生まれてきた」
 舞は姿勢を正すと、砲撃や爆音が響き渡る戦場で歌い始める。武器を手に凛とした表情で、長い髪が風を受けて流れ、戦乙女を思わせる美貌を湛える。
「 それは子供のころに聞いた話 誰もが笑うおとぎ話
  でも私は笑わない 私は信じられる あなたの横顔を見ているから
  はるかなる未来への階段を駆け上がる あなたの瞳を知っている 」
 恋人の歌声を耳にすると、瀬戸口もカートが尽きたブースターのリュックを捨て、舞に続けて歌う。普段は好きでなかった歌も歌っていると、なぜか恐怖や絶望という感情が薄らぎ、再び幻獣に果敢に挑もうという意欲が湧き上がってくる。
「 今なら私は信じられる あなたの作る未来が見える
あなたの差し出す手を取って 私も一緒に駆け上がろう
  幾千万の私とあなたで、あの運命に打ち勝とう 」
 二人が歌っていると、通信によって指揮車にもその歌声が伝わり、滝川も歌い始める。
「 幾千万の私とあなたで あの運命に打ち勝とう
  どこかのだれかの未来のために マーチを歌おう
  そうよ未来はいつだって このマーチとともにある 」
 滝川が歌いだすと、ののみも懸命に歌う。
「 オールハンデッド ガンパレード! 未来のために マーチを歌おう
ガンパレード・マーチ ガンパレード・マーチ
全軍突撃! どこか誰かの未来のために! 」
 動揺を覚えていた速水も、奮い立つ部下と共に歌い上げる。歌を口にしていると、不思議と冷や汗が興奮へと変わり、後退一方から反転してスキュラに対し弾幕を張りながらその死角にまわろうと全速で移動するよう命じる。
 小隊全体の士気が向上し、瀬戸口は目標を追うので精一杯のスキュラに対し、堂々と歩きながら高い迎角で射撃する。舞も狙いをつけながら冷静に発砲した。ついにスキュラは指揮車を諦め、方向転換をやめて移動して一気に小さな標的を薙ぎ払おうと移動を開始する。
「その装備で、よくスキュラと戦ってこられましたな」
「これ以上…無茶するな」
「遅かったな、お前さん達」
「役者が揃ったな。今こそ、我らの底力を見せてやれ!」
 正面からやりあってはひとたまりもないと思ったスカウト達は急いで二人のもとに駆けつける。さすがの若宮もその勇気に感心した様子だったが、舞が口火を切ると、四人は一斉にスキュラに攻撃する。
 熟練のスカウトが重火器で集中攻撃すると、さしものスキュラも大きな痛手を受け、激しい銃火の前に爆炎を上げながら姿勢を大きく崩すと姿を消した。
『来須機、スキュラ撃破!やっぱ、先輩ってスゴいな』
「いや、四人の戦果だ」
 滝川が戦果を伝えると、来須は短く言った。彼は一人でもスキュラを倒せるが、ここまで早く倒せたのは初めてだった。
「見よ!3番機が補給を終えて戻ってきたぞ」
「舞、粘ったかいがあったな」
『みんなー、げんじゅうたちがねー、撤退しはじめたのよー』
「行くぞ!3番機に続け」
 ののみが戦況の変化を伝えると、四人は複座型と共に殲滅戦に入る。
 舞はすでに拳銃の弾が尽きていたが、瀬戸口は撤退する幻獣を狙撃して一体倒した。



『みんな、戦闘はもう終わった。僕達の勝ちだ。5121小隊、一旦補給車まで集合せよ』
「舞、どうやってあそこまで戻る?」
「私も、歩いて撤収するのは初めてだ。おまけに、体の節々が痛む」
「はっはっはっ、普段から鍛えてないからだ。慣れてないと、後から応えるぞ」
「疲労も生きている証だ。芝村、俺からも…整備班に言っておいてやる」
「さすが、男の中の男だな」
 速水が戦闘の終結を宣言すると、スカウトの二人は撤収する。戦闘が終わってから打ち身と筋肉痛に襲われる二人は途方にくれる。
「舞、すまんな。ブースター全部使いきっちまった。残ってたら、少しは飛べたのに」
「気にせずともよい。今回の戦いで、データが取れた。貴重な実戦データだ。今後の参考になるだろう」
「スカウトって、こんなにキツかったんだな。俺…無事帰還できたら、今度二人で花岡山に行こうと思ってたのに、しばらく足腰を休める事になりそうだ」
「参拝に行くなら、付き合うぞ。山頂までは、杖があれば少しは楽だ。まず、整備班を味のれんにでも招待するのが先になりそうだが…」
「当分延期だな…これじゃ本当にご休憩になっちまう」
『二人とも、何ホテル街行く話してんのー?やらしー』
「新井木、聞いておったのか!」
「野暮だな、大人の会話だったのに」
 その場に座り込んでいた二人の前に3番機が現れる。
『芝村、色ボケが原因で機体をオシャカにしたんだろ。僕なら、そんなミスはしない』
「お前さん、機体ほど器が大きくないと見える」
『やめなよ、茜。グッチも。どうせ、二人ともヘロヘロなんでしょ。乗ってかない?』
 芝村を嫌悪する茜と舞を愛する瀬戸口の間でにらみ合うが、新井木が二人を宥めると、機体の両肩に舞と瀬戸口を乗せると撤退ラインまで歩いていく。
「これは楽でいい。眺めもいいな。でも、規則に引っかかりそうだ」
『知らないの?タイヤのない乗り物は二人乗りしていいんだよ』
「隆之、気にせずともよい。芝村は憲兵にも影響力があるから、心配いらぬ」
『覇権主義だな、そうやって反対派を弾圧してるんだ』
『茜、一言多いよ。モリリンもそれで困ってるって言ってたんだから。ボクだって、背中蹴られてばっかで幻獣より怖いよ』
「かまわぬ、今回も仲間は誰一人死んでおらんのだから、気楽でおれるのだ。私は、少し気が重い…」
 舞はトレーラーの荷台に寝かせてある朽ちた愛機――一番機を見ると、整備班にイヤミを言われると確信した。瀬戸口は3番機の二人が適正でそれぞれの分担が成されているのが理解できたが、相性はさほどよくない事が分かった。
 四人は最後に集合場所に到着すると、小隊は学校に帰還する。



「安静に…して」
「サンキュー、石津。あの銃も役に立ったぜ。助かったよ」
 瀬戸口は石津に湿布を張ってもらい、戦闘で酷使した肉体を癒されると、笑って礼を述べると無口な少女も小さく微笑んだ。
「すまぬ、私が油断したばかりに…機体を大破させてしまった。この埋め合わせは、必ず…」
「いいのよ、あなたが無事だったんだから。機体を壊した幻獣も倒したって言うし。ここだけの話、頭部センサーと脚部の調整が不十分だったのよ。次に来るパーツからもっと洗練された造りに変わって操縦も整備も楽になるから、交換できておいしいじゃない。それに、来須くんがあそこまで言うんだから、どうもこうも言えないわよ。それより、今回は活躍できたんだから、昇進のチャンスでしょ?善行も部下に恵まれてたみたいね」
「侍が戦場で存分に働けるのも、後に控える者の力があってこそとも言う。機会があれば、部隊がもっと快適になるよう陳情しよう」
「もし、仮眠室とか作ったら、あなた達以外は入れないんじゃない?他の人は雰囲気に当てられちゃって」
「ばっ…何をたわけた事を…夜伽だけが愛の形ではない…」
「ほら、あなたのカダヤ来たわよ。用が済んだなら早くハンガーから出て」
 パイロットは機体を壊すと整備班からいろいろ言われるのが小隊の通例であったので、舞はこれまで体験しない大破に至ったので整備班長の原に自らが至らぬことを詫びた。すると、原は自分達の不手際を小さめに報告し、来須の口添えがあったので不問にしていつものようにからかうと、迎えに来た瀬戸口とハンガーから出るように言った。
「舞、ネチネチ言われなかったか?」
「そうでもなかったぞ。何やら、新しい部品が見れるのを楽しみにしておった」
「まあ、男のシュミはどうか分からんが、メカを見る目は確かだろう」
「隆之、まだやり残した事がありそうだな」
「分かるか?」
「なぜか、微妙な雰囲気だからな」
「これから、男同士の話をしに行く。すぐ済むかもしれないし、場合によっては校舎裏に行く必要があるかもしれない」
 そう言うと、瀬戸口は隊長室に入った。
「よお、坊や。せっかく生きて帰ってこれたんだから、聞きたい事がある」
「決まってすぐ出撃は、さすがにきつかったね。あの状況でスキュラから僕たちを守ろうとしてくれたし、この際だから、正直に話すよ。君と舞がそれとなく親密な雰囲気になってるのを見て悩んでたら、ある日言われたんだ。そんなに瀬戸口くんが強いか知りたいならスカウトをやらせてみたらいいじゃない、ってね。僕も、芝村に甘えてスカウトから逃げるようじゃたいした事ないって思ってたんだ。君なら舞の背中を守れる。僕より頼りになるよ。士官って給料がよくてかっこいいって思ってたんだけど、実際は忙しくていつも若宮が側に来ると思うとそんなに楽しくないよ。よかったら、変わろうか?」
「そいつは遠慮する。しかし、お前さんこそ、司令になってもぽややんとした雰囲気を保ってられるとはたいしたもんだ。とりあえず、義務は果たしたし、配置換えを頼みたい」
 前任の司令にも遠慮せずにものを言ってきた瀬戸口も速水があまりに包み隠さず語るので、すっかり拳を振り下ろす先をなくす。特に嘘をついている様子もないし、立場も階級も変わってしまってコミニケーションがなくなったのが原因で悩んでいたのなら、舞を愛した事で速水と語り合う事もなくなってしまったので、瀬戸口は自分にも責任があると思った。
「厚志、スカウトの枠を二人に戻せ!歩兵の最低単位は二名だ。司令といえども、勝手に軍の規定を無視されては困る」
 突如隊長室に乱入した舞は、瀬戸口がスカウトを続けないで済むよう進言する。彼女は単に恋人がいとおしいだけでなく、ふさわしい持ち場につくべきだと考えていた。
「舞!何しに来た」
「そういえば、士官は拳銃を支給されているので、少し心配になってな」
「舞、やっぱり3番機に乗ってくれないかな。電子の巫女王には火器管制がふさわしいよ」
 速水は舞を持ち上げつつ、かつてのポジションに戻るよう求める。
「じゃあ、パイロットは俺がやる!俺と舞の連携見たろ?」
 かつては速水がついていた部署も、舞と絆を持つ自分なら勤め通せると強く思った。
「それでいいよ、あの二人がもうイヤだって…単座型がいいって言うから、換わってもらおうと思って。じゃあ、これで決まりにするよ。ミーティングした事にして最後に僕が判断したと言う事で。司令が最終判断を下せる事になってるから、いいよね?舞」
「何より欠員が出ないし、誰も困らぬのだから、問題ないだろう」
「お前さん、何だかんだいって権力に目覚めてるな。決を採らないで独断で命令を下すんだから」
「だって、ミーティングって朝早いから眠いし、本来ならみんな弁当作ってる時間帯だから、邪魔しちゃ悪いと思って」
 速水は瀬戸口への罪滅ぼしに、二人の発言力を使わせずに部署変更を決定する。
「そなたも、恋人とうまくいくといいな」
「滝川も新しい職を得たし、俺も新しい仕事に励むとするか。お前さんも、これでひと安心だな」
「瀬戸口くん、がんばれとは言わないよ。以前の僕に毛が生えたくらいになってね。」
 三人は笑って敬礼しあう。形は上官と部下だが、顔は親友のままだった。
「本当は…こうなるのを、私は望んでいた。これで、そなたも大手を振って機体を駆れるな」
「一緒に戦うとは本来こういうのを言うんだ。複座型は広いから、寝泊りにも向いてそうだな」
 二人は隊長室から出ると、新しい愛機に思いを馳せる。
「そなた、家がないというのは本当だったのか。そういえば、私が住んでるアパートに空室があるから…」
「いや、それでは欲望に流されてしまう。仮にも、今は戦争中だ。それに、昇進したら給料も上がる。寝袋でも買って校舎で暮らす」
 瀬戸口はその素行から女性の家を渡り歩いているように思われてるが、舞はそうでない事を知っていた。
「しかし、3番機に乗るのは久しぶりだな。あの機体もパーソナルマークを変えるもの三度目になるな」
「舞、今度はどんなのにするんだ?」
「昔3番機に乗っていたときは二人のイニシャルとハートマークだったが、今なら愛の一文字でよいであろう」
「そうだな、味方への愛…無策な上層部をも許す事だ。俺達のがんばりで少しでも幻獣が減れば、それだけ平和に近づく」
「なら、二人で三百の幻獣を狩ろうではないか。まだ人型戦車で実現した者はいない記録だ」
 瀬戸口に頭を撫でられると、舞は照れながら学兵としての夢を打ち明ける。絢爛舞踏章を取れば、女子校の教師も軍も政府も5121小隊の実力を認めるに違いないと考えていた。
「そうか?二人のスコアを足せばそれくらいいくだろ。公式じゃないが」
「たわけ、二人でする事に意味があるのだ」
「たかちゃんねー、きょうは全然ののみとおはなししてくれないから、さみしいのよー」
「悪いな、でも今日はののみの為にもがんばったんだぞ」
「そうだ、隆之はガラになく本気を出したのだ」
 側に来たののみが話しかけてくると、舞は瀬戸口のがんばりについて語る。
「えへへ、たかちゃんかっこよかったのよ。でもののみねー、そろそろおなかがすいたのよー」
「そうだな、みんなで味のれんに行こう。舞がおごってくれるそうだ」
「なっ、なぜ私持ちなのだ」
「俺は…男前だが、金はない」
 瀬戸口はののみを誘ったかと思うと、いつのまにか仕切り、ののみと手を繋ごうと腕を伸ばす。
「たかちゃん、まいちゃんと手をつないであげないとめーなのよ。あいはねー、つねにためされてるから、証をしめさなきゃ、かけごえだおれになるのよー」
「そ、そうだ…忘れておるぞ」
 ののみが瀬戸口を制すると、舞が照れながら手を伸ばす。
「でもねー、たべる早さではまけないのよー」
「ののみに認められたんだな、俺達」
「後は、ブータだな」
「じゃあ、そのうちネコミミも買おう」
「私にも…似合うか?」
「きっと似合う」
 小走りのののみに続いて二人は寄り添いながら歩いていく。

−FIN−

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